子どもへのタッチング等の研究の第一人者、桜美林大学教授 山口 創氏の、スポーツのメンタルへの影響についてコラムの連載が始まります。

2017年5月29日

子どもへのタッチング等の研究の第一人者、桜美林大学教授 山口 創氏の、スポーツのメンタルへの影響についてコラムの連載が始まります。

 

こんにちは!キッズ&ジュニアスポーツコンディショニング協会

事務局の冨増(トミマス)です。

 

 

このたび、協会の顧問、桜美林大学教授・臨床発達心理士、
子どもに触れることの影響や、タッチングの質についての研究の第一人者の山口 創さまより、
協会会員さまにむけて、隔月でコラムの執筆をして頂けることになりました。

 

山口教授からは、執筆にあたり、
「専門は心理学なので、主に思春期に起こりやすい心の問題や、

スポーツに関係する心の問題に焦点を当ててさまざまな研究を紹介させて頂きます。どうぞよろしくお願いします」
と、皆様にご挨拶を頂きました。

 

会員さま向けの配信となりますが、

初回の「子どものスポーツとメンタルヘルス-部活動などの運動がメンタルヘルスに与える影響」に関しては、

ブログやメルマガ会員の皆様にもご紹介させて頂きます。

 

スポーツを頑張るお子さまとの関わり方について

ぜひ参考にしてくださいね。

 

【思春期のスポーツとメンタルヘルス】

 

これから隔月で、コラムを書かせて頂くことになりました。

 

筆者の専門は心理学なので、主に思春期に起こりやすい心の問題や、

 

スポーツに関係する心の問題に焦点を当ててさまざまな研究を紹介させて頂きます。

 

どうぞよろしくお願いします。

 

 

皆さんも経験的に、スポーツの効用にはお気づきのことでしょう。

 

子どもの成長にとって身体への影響については言うまでもなくさまざまな効果があるので、

 

今回はスポーツのメンタルへの影響についての研究をみていきます。

 

 

■スポーツとメンタルヘルス

 

まず、スポーツのように身体を動かすことの効果についてです。

 

米国の研究によると、スポーツをしている子どもや思春期の生徒の抑うつや不安は、

 

していない子どもよりもある程度低いことはわかっていますが、

 

そのような結果が出ていない研究もあります[1]。

 

 

また、知的機能も同様にスポーツをしている子どもの方がやや高いこともわかっていますが、

 

あまりはっきりした結果は出ていません。

 

ただし、椅子に座っている時間(じっとしている時間)の長さは、

 

確実にメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことは言えそうです[1]。

 

 

■運動部活動のポジティブな影響

 

では、日本の場合はどうでしょうか。

 

中学校や高校での部活動の場合、単なるスポーツではなく、

 

先輩との人間関係や学校生活などとも深く関わってくるため、その結果はさらに複雑になります。

 

たとえば運動部活動は自尊感情や学校適応感を高め 、

 

抑うつ度を下げたりする効果も確認されています[2]。

 

 

中学生の部活動での充実感及び学校生活満足度との関連については、

 

部活動を継続している中学生は、所属するクラスや部活動内での欲求が満たされている場合、

 

充実感や学校生活への満足度が高まることが報告されています[3]。

 

つまり中学生にとって、部活動への参加は、単に集団への帰属意識を高めるだけでなく、

 

集団内における様々な対人関係上のできごとを通して、

 

コミュニケーション能力を高める働きを持つことが考えられます。

 

 

 

さらに、同じ目標を持つ仲間との交流や助け合いなどを通じて、

 

友情や信頼関係を築き上げる機会となるようです。

 

そして、学校外のスポーツクラブへの参加は、

 

1年後の情緒的問題に好影響を与えることも示されています[4]。

 

 

 

■運動部活動のネガティブな影響

 

一方で中学の部活動が、メンタルヘルスにネガティブな影響を与えることもあります。

 

たとえば部活動での対人関係のつまずきや、

 

役割上の問題(レギュラーになれなかったなど)が原因で、不登校やうつ病に発展することもあるのです[5]。

 

 

また部活動は、中学生にとっては、学校で生じるストレッサーの 1つでもあり、

 

先輩との関係や、勉強との両立に悩むといったストレスも大きいことがわかっています[6]。

 

 

 

■ストレスへの対処

 

これらの研究結果から、中学校や高校における部活動は、

 

生徒のメンタルヘルスに良くも悪くも影響を及ぼし、

 

学校における不適応問題の要因ともなっていることがわかります。

 

 

そのために、部活動におけるストレッサーへの対処方法を検討することは、

 

生徒のメンタルヘルスや学校適応を考える際には、重要な課題でもあるのです。

 

 

ですから身体的な疲労はコンディショニングで早く回復を促す必要があり、

 

メンタルヘルスについては親が早めにその兆候に気づいて対処してあげることが大切です。

 

 

たとえば認知行動療法を用いて、子どもの物事の捉え方や考え方などについて、

 

別の見方を呈示してあげることに効果があります。

 

たとえば「仲間に嫌われた」と思って悩んでいる子どもがいたとしたら、

 

「本当は仲間に嫌われたわけではなく、

 

期待されているからこそ厳しくされているだけかもしれない」といったように、

 

別の可能性を考えていくわけです。

 

このようなやり方はストレスコーピングといって、ストレスに対処するためにとても効果がある方法です。

 

 

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スポーツを頑張ることが、子どもの心の成長にいかに大切かということについて

知っていただき、おこさまとの関わり方のヒントになれば嬉しいです。

 

 

当協会顧問 山口教授によるコラムの

今後の配信スケジュールは、以下の予定です。

 

 

第2回 (8月発行) 子どものスポーツとメンタルヘルス(2)-試合での接し方

第3回 (10月発行)  思春期の子どもとの触れ合い

第4回 (12月発行)  オキシトシン

第5回 (2月発行)  ペアレンティングと子どものスポーツ

 

 

今後の山口教授のコラムにご期待下さい。
また、是非、この機会に、会員さま向けにどんどん特典やイベントが充実してきている、
協会会員にご登録下さい。

 

(二回目以降のコラムの配信は協会会員さま限定となります)
会員登録はこちら → http://www.kj-spocon.or.jp/guidance/

 

引用文献

[1] Stuart J H et al. (2011) Physical activity and mental health in children and adolescents: a review of reviews. British Journal of Sports Medicine, 45, 886-895.

[2] 竹中晃二 (2001) 米国における子ども・青少年の身体活動低下と公衆衛生的観点から見た体育の役割:体力増強から健康増進へ,さらに生涯の健康増進へ.体育学研究,46,505-535.

[3] 高田知恵子・丹野義彦・高田利武 (1985) 青年期の自尊感情と部活動に対する認知との関連.群馬大学医療技術短期大学部紀要、6、29-35.

[4] Wiles NJ, Jones GT, Haase AM, Lawlor DA, Macfarlane GJ, Lewis G (2008) Physical activity and emotional problems amongst adolescents: a longitudinal study. Soc

Psychiatry Psychiatr Epidemiol, 43 , 765-772.

[5] 都築等・高田知恵子・関谷務 (1984) いわゆる部活動の中学生の精神衛生に与える影響.群馬大学医療技術短期大学部紀要、5、49-55.

[6] 岡安孝弘・嶋田洋徳・丹野洋子・森俊夫・矢富直美 (1992) 中学生の学校ストレッサーの評価とストレス反応との関係.心理学研究、63、310-318.

 

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この記事を書いた人: 事務局

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