梅雨が終わると夏本番。
お子さまのスポーツ活動も活発になる時期かと思います。
これからの季節に気を付けたいのが熱中症です。
総務省のデータによると、熱中症患者は5月から増加し、8月からピークを迎えます。
また、日本における熱中症死亡者を年齢構成別に見た場合、乳幼児、青少年期、中年期、高齢期に多く見られます。
注意すべきは、青少年期の死亡原因として体育の授業やスポーツ部活動があげられていることです。
安心して楽しくスポーツができるようにお子さまの熱中症を予防しましょう。
熱中症とスポーツ
熱中症とは?
体温が上昇し、体内の水分と塩分のバランスが崩れたり、体温の調整機能が働かなくなり、
めまい、痙攣、発熱などさまざまな症状を起こす病気のことです。
熱中症患者は、30度以上になると発生し始め、35度以上の猛暑日になると急激に増加し始めます。
2020年5月2日(土)
長野県飯田市 33.1度
名古屋市 30.8度
京都市 30.1度
今年は各地ですでに30度越えを記録しています。5月~9月末頃までは特に注意が必要です。
また、7月~8月の猛暑日はもちろんですが、5月~梅雨どきはまだ体に暑さが慣れていないため、
起こりやすいとされています。
なんで運動したら熱中症になりやすいの?
運動することにより、安静時の10倍以上産熱するとされています。
発生した熱が放出されない、または熱を下げようと大量の汗をかき、
体内のバランスが崩れることにより熱中症を発症します。
熱中症になりやすい種目
日本で一番、熱中症患者の多いスポーツは野球です。
スポーツ人口が多いこともありますが、長時間に及ぶ練習、チームスポーツで自分のペースでできない、
長袖長ズボンで熱がこもりやすいといった理由があります。
また、バレーボール、剣道など室内のスポーツも熱がこもりやすく熱中症になりやすいです。
もちろん、他のスポーツでも同様の理由で熱中症になりやすいケースがありますでの注意が必要です。
予防
水分補給
こまめな水分補給をこころがけましょう。
汗を大量にかくと、水分とともに塩分やミネラルも体外に出てしまします。
水分の補給だけでなく、必要な栄養素を体内に取り込む必要があります。
・タイミング
1度に大量の水分を補給するのでなく、こまめに補給(1時間に2回~4回)
・何を飲むか
水分と塩分を同時に摂取するのが効果的です。
水分だけ摂取すると、体内の塩分濃度が薄まり、熱中症の発症へつながる恐れがあります。
日本スポーツ協会では、1ℓに対して、1g~2gの食塩を加えた食塩水が推奨されています。
市販のスポーツドリンクも効果的です。
お子さまには、水と塩分入りの飲み物両方を持たせてあげるといいと思います。
冷房にあたりすぎない
強い冷房の部屋から外に出てしまうと、外気との温度差で体にストレスがかかってしまいます。
冷房の温度は標準温度で24度~28度の設定が推奨されています。
食事
三食バランスよく食べましょう。
また、運動をする1時間~2時間前に食事をとると、ちょうど始まる頃には体を動かすエネルギーに変わります。
運動前の食事内容は炭水化物を多く含むおにぎり、麺類などを腹8分目以下におさえ、
油分や脂質の多い食べ物は控えた食事にしましょう。
30分前位に摂取するのであれば、消化の早いバナナや栄養補給ゼリー飲料が体に負担がなく、すぐにエネルギーにできます。
睡眠
心身ともに健康を維持するには睡眠は重要です。
6才~12才のお子さまは、10~11時間が適度な睡眠時間だとされています。
また、寝る前のテレビゲームは脳を刺激して睡眠を妨げるため、控えましょう。
スポーツをしているお子さまがいらっしゃれば、ご一緒にストレッチをされるといかがでしょうか。
冷却
練習の合間などこまめに体を冷やしましょう。
ご自宅にある保冷剤やビニール袋に氷を入れたものを用意しておきます。
首筋や脇の下など太い血管が通る部分に当てることで体全体を冷やす効果があります。
応急処置
まず前提として、熱中症かなと疑いがあれば、すぐに医療機関への相談、救急車を呼ぶ、といった対応が必要です。
応急処置とは、あくまで現場ですぐにできる症状を悪化させない方法です。
水分補給
スポーツドリンクで水分と塩分を補給しましょう。
大塚製薬の経口補水液オーエスワン(OS-1)は脱水状態で不足している電解質を補給できます。
軽度・中度の脱水状態であればスポーツドリンクよりおすすめです。
涼しい場所へ移動
クーラーのよく効いた室内に移動しましょう。また、グラウンドなどの屋外で屋内への移動が難しければ日かげに移動しましょう。
これからの季節はテントなどの日かげを可能な限り、用意しておくことが重要でしょう。
冷やす
衣類をゆるめ、体の熱を放出します。首筋と脇の下、足の付け根を保冷剤、氷で冷やします。
皮膚に直接水をかけ、うちわなどであおぐことも体温を下げる効果があります。
最後に
スポーツ中、子どもは体調が悪くても「しんどい」の一言は口にしにくいです。
周りに迷惑をかけたくない、他の子どもたちに負けたくないなど理由があると思います。
無理をしすぎない環境づくりは指導者の方やパパママの気配りが重要です。
楽しく安全にスポーツができる環境を作りましょう。