野球スポーツ障害 離断性骨軟骨炎(野球肘)

野球スポーツ障害 離断性骨軟骨炎(野球肘)

概要

野球に多いスポーツ障害(=スポーツによって関節、靭帯、腱、骨などに繰り返し外力が加わることで引き起こされる障害のこと)の1つに野球肘があります。

野球肘とは野球選手に起こる肘障害の総称のことで、障害部位により①内側障害、②外側障害、③後方障害の3つに大きく分けられます。

これらは、投球時に肘関節に外反ストレス(=肘の内側(小指側)が引っ張られ、外側(親指側)が圧迫される力のこと)が生じることで起こるとされています。

 

今回はこの野球肘のうち、外側障害の1つである離断性骨軟骨炎について

・離断性骨軟骨炎とは

・離断性骨軟骨炎の原因

・離断性骨軟骨炎の症状

・離断性骨軟骨炎を予防するためには

という4つの項目についてみてみます。

 

・離断性骨軟骨炎とは

関節の中に軟骨(なんこつ)が剥がれ落ちてしまう障害です。少年野球をやっている子どもの約2%に発症すると

言われており、内側障害と比較して発生頻度は低いものの、治療が遅れると手術が必要になることがあるため注意が必要です。

原因

・離断性骨軟骨炎の原因

投球時に過度の外反ストレスが繰り返されることで、上腕骨小頭(=上腕骨の外側の出っ張り)に圧迫力と剪断力(=面の両端部分をずれさせるように働く力)が加わり関節軟骨に亀裂や変性(=性質が変わること)が生じることが原因とされています(図1)。

野球スポーツ障害 離断性骨軟骨炎(野球肘)

図1:外反ストレス

画像:http://www.seijinkai.or.jp/okubo/sports/elbow-jointより

 

・離断性骨軟骨炎の症状

初期段階に特徴的な症状はありませんが、関節軟骨の表面に亀裂や変性が生じると痛みを自覚するようになり、

痛みが強くなるとスポーツの継続が難しくなります。

軟骨が完全にはがれてしまうと、かけらが関節内で浮遊するようになり、このかけらが原因となって

関節の曲げ伸ばしに支障が生じたり、引っかかりを自覚したりするようになります。

予防と治療

・離断性骨軟骨炎を予防するためには

離断性骨軟骨炎の要因となる投球動作の異常として“手投げ”といわれるものが

あります(図2)。

 

こうした投球動作となる原因として

  • 軸足の大腿骨内旋、下腿内傾が強い
  • 骨盤と体幹の分離運動がうまく行えていない

ことが一因と考えられています。

 

こうしたことから“手投げ”の改善のためには

  • 股関節外転可動域の改善
  • 骨盤と体幹の分離運動を促す

野球スポーツ障害 離断性骨軟骨炎(野球肘)

図2:手投げ

画像:https://wlbaseball.com/1910より

必要があり、そのためのコンディショニングとして

  • 股関節外転に関わる大腿筋膜張筋、中殿筋
  • 股関節内転に関わる薄筋、大内転筋、長内転筋、短内転筋、恥骨筋
  • 体幹回旋に関わる内腹斜筋、外腹斜筋、脊柱起立筋
  • 肩甲骨内転に関わる菱形筋、僧帽筋(中部)
  • 肩甲骨外転に関わる小胸筋、前鋸筋

の状態を確認する必要性があると考えられます。

 

また少しでも肘に違和感があるときには早めに専門医療機関を受診することが大切です。

 

以上参考にしていただき、有意義なスポーツライフをお過ごしください。。

 

参考文献およびURL

1)土屋真人:姿勢と動きの「なぜ」がわかる本,p171,2018,株式会社秀和システム

2)中村隆一ほか:基礎運動学 第6版,p283,p245,2010,医歯薬出版株式会社

3)青木治人ほか:スポーツリハビリテーションの臨床P350-357,2019,株式会社メディカル・サイエンス・インターナショナル

4)https://medicalnote.jp/

5)http://www.seijinkai.or.jp/okubo/sports/elbow-joint

6)https://www.juntendo.ac.jp/hospital/clinic/seikei/about/disease/sports/sports_08.html

7)https://www.nagano-seikeigeka.jp/q_a/pop_sport2

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