ラグビーは非常に怪我が多いスポーツの一つです。コンタクトスポーツである以上ある程度は仕方ない部分もあるのかもしれません。
競技を続ける上で多くの選手は体のどこにも痛みがない(すり傷含む)、怪我のない状態で競技が行えることの方が少ないのかもしれません。
しかし、大怪我となれば完治までの時間もかかる場合もあるため注意が必要です。
今回は、その中でも足首付近にあるアキレス腱の断裂について
1.アキレス腱断裂とは
2.アキレス腱断裂の原因
3.アキレス腱断裂の症状
4.アキレス腱断裂の自己診断方法
5.アキレス腱断裂の対処方法
という5つの項目について書いてみようと思います。
アキレス腱は、下腿三頭筋(ふくらはぎ)の筋肉が足首で束になり、アキレス腱という紐〈ひも〉になり踵骨〈しょうこつ〉(かかと)に付着しています。この足首に近い紐の部分が断裂した場合をアキレス腱断裂といいます。 運動機能は踵を上げる(カーフレイズ)、つまり、つま先立ちやダッシュ、ジャンプ時の蹴る(足関節底屈の力)動作を司〈つかさど〉っているため、スポーツにおいて最も重要な役割を果たしています。
図1
怪我をする原因はスポーツが約9割を占め、残りは60歳以上に多い転倒、転落など不慮の事故によります。スポーツではテニス、バドミントン、バレーボールなどにも多い怪我となりますが、基本的には動作を行う動きだしの一歩目の踏み込みなどの際に多いとされています。
基本的にはいきなりの動きに対して体がついてこれず発症するイメージが多いでしょう。
図2
怪我を発症した直後は体重をかけることができずに転倒したり、しゃがみこんだりしますが、しばらくすると歩行可能となることも少なくありません。 しかし、歩行が可能な場合でもつま先立ちはできなくなるのが特徴です。
アキレス腱が断裂していても足首(足関節)は動かすことは出来ます。
アキレス腱断裂の特徴として、アキレス腱部に皮下の陥凹(へこみ)や、同部の圧痛があります。
また、うつ伏せで膝を直角に曲げた状態でふくらはぎを強くつまむと、正常な足関節は底屈します (Thompson テスト)が、アキレス腱が断裂するとこの底屈がみられなくなります。
1. Thomsenテスト
検者は手首(手関節)を曲げるようにして、患者さんには肘を伸ばしたまま検者の力に抵抗して手首(手関節)を伸ばしてもらう。
治療は、手術を行わずにギプスや装具を用いて治療する「保存治療」と、断裂したアキレス腱を直接縫合する「手術治療」があります。
保存療法
保存療法のメリットとしては手術による侵襲がないことです。ギプスや装具を用いてアキレス腱に負担がかからないようにします。治療を開始して、約3ヶ月で正常な歩行が可能になり、約6ヶ月以降でスポーツへの復帰が可能になります。長期的には手術療法群との有意差はありません。
手術療法
参考文献およびURL
1)今村総合病院
図の引用
図1:今村総合病院
図2:北千葉整形外科
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